2022 March.02 #FASHION
SDGsへの意識が高まるなかで、生産時の環境負荷や需要を上回る大量生産といった、様々な問題を抱えるファッション業界では、ものづくりやビジネスのあり方を変革するサステナブルな取り組みが高まっています。
AnotherADdressは、“服は使い捨てではない”という信念のもと、ファッションの本質的な価値を重視し、社会や環境にとって持続性の高いビジネスモデルへの転換を目指すサービスとして立ち上がりました。
そうした潮流のなかで、ファッション業界における持続可能な未来のための取り組みは、小売や生産工程だけでなく、素材の開発においても様々。最先端のリサイクル技術や、環境負荷を減らした素材づくりなど、大切な資源を守りながら、無駄を生まない“循環型ファッション”を目指す取り組みが注目されています。
AnotherADdressでは、こうしたファッション業界におけるサステナブルな取り組みやものづくりの一面にフォーカス。人と地球にやさしい素材やものづくりにまつわる情報をお届けすることで、改めて服と向き合い、大切にするきっかけのひとつになれば、と考えています。
今回は、自然とテクノロジーの共存から生まれた繊維、トリアセテートをご紹介しましょう。
トリアセテートとは、天然のパルプを使用した植物系原料ならではの「着心地の良さ」と化学系原料の合成繊維の良さである「扱いやすさ」を併せ持つ半合成繊維。
三菱ケミカルが製造するトリアセテート繊維「ソアロン™」は、その高い機能性と上質な着心地、そして環境に優しい繊維として世界中で高い評価を得ています。
トリアセテートの原料は「木」。樹木から紡がれた脱炭素型繊維のため環境負荷の低い素材といえます。
そして主原料となるパルプは、森林再生を保証するプログラムのもと、持続可能な形で管理された森から生まれたものです。
ソアロンが目指したのは、豊かな自然の森や生き物を守りながら、自然本来の再生力を高めるサステナブルな繊維づくり。森と自然と向き合い生まれたからこそ、地球にも人にも優しいプロダクトと言えるのです。
持続可能に管理された森林から産出された木材製品を適切に管理・加工していることを表す「FSC®COC認証」や、大気中のCO2増加を抑える製品に与えられる「バイオマスマーク」の認定も取得しています。
ソアロンは非常に繊細な繊維のため、大量生産ができません。なぜなら、日本国内の工場での緻密で丁寧な技術なしには生産できないからです。
1967年に生産をスタートしてから約55年、ソアロンは繊維産地である北陸地方を中心に、長年培ってきた高い技術を持つパートナー企業と連携し、ひとつひとつ丁寧につくられてきました。
人の手から手へと紡いでいくような地道なものづくり——それがソアロンの地球に優しい繊維づくりを支えています。
そしてソアロンは、その機能性と扱いやすさが魅力。吸い取った汗や水分を素早く拡散する速乾性、クーリング性に加え、適度な吸湿性、放湿性があり、軽いのも特徴です。
さらりと肌に触れる快適な着心地をもたらすのは、コットンと比べると低く、ポリエステルと比べると高いという程よい吸水率。快適な着心地を保ち、また着用シワもつきにくいため、イージーケアも可能です。
約60年前に誕生したトリアセテートですが、海外での受注も増え続け、現在は、海外7:日本3のイメージで、海外シェアが高まりつつあります。
近年のトリアセテートへの注目は、SDGsの影響だけではありません。生地の柔らかさと発色の良さの面でも高く評価され、今、海外のメゾンブランドからも注目を集めています。
トリアセテートは熱をかけることで美しいプリーツが生まれ、着用を繰り返しても崩れにくい特性を持ちます。
そしてシルクのような上質な光沢感と滑らかな感触。透明度が高い糸を使用しているため、美しい発色が得られます。しっとりとした深みのある黒に染まるため、フォーマルウェアに用いられることも多い素材です。
婦人服からフォーマル仕様、メンズのセットアップまで、多種多様なデザインの服に使われるソアロン。
AnotherADdressでもトリアセテートを使用した商品が様々あるので、ぜひお手にとってチェックしてみてください。
服を選ぶ、着るという日常のひとつひとつの選択が、私たちの大切な資源を守り、地球の未来に繋がるはずです。
2022年3月1日(火)〜5月31日(火)の期間中、FOCUSでご紹介の対象のトリアセテート商品をレンタルいただくと、1着につき200円、本来の森の姿を維持するために2014年より植樹活動を推進している東京藝術大学の「GEIDAI Hedge」へ期間終了後、寄付いたします。
トリアセテートを使った商品は「FOCUS」にて、多数ご紹介中です。
>>対象アイテムはこちらからチェック
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