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Designer Interview vol.06 near.nippon デザイナー深山拓也さん

2022 August.10 #PEOPLE

near.nipponのデザイナー深山拓也さんに服作りへのこだわりや想いを語っていただきました。

「服を作りたい」という強い思いに突き動かされて

“自分の好きなこと”を考えたとき、小さい頃から絵を描くこと、そしてファッション、特にアメカジがずっと好きでした。高校卒業後の進路を考えるときに、自営業の父の影響もあって、漠然とですが“好きなことを仕事にしたい”という気持ちがあり、ファッションの道に進むことにしました。

服飾系の専門学校を卒業後、スタイリストのアシスタントなどファッションに関わる仕事をしましたが、自分も服を作る側の人間になりたい、と強く思ったのが、HELMUT LANG(ヘルムート ラング)の服との出合い。白T、ジーパンのようなスタイルに衝撃を受けました。こんなファッションもあっていいんだ、と。ミニマリズムの考え方というのも初めて知りました。

そして服を作りたいという一心で、独立。一緒に立ち上げたパタンナーの上島さんは、専門学校時代の先生で、卒業後、文化祭へ出向き「一緒にやりませんか?」と声をかけたのが始まりです。右も左もわからない状態でしたが、さっそくアトリエを借りて服を作り始めました。いま思うと二人とも“服を作るのが好き”という気持ちだけで、衝動的に突き進んでいたと思います(笑)。

「相反する要素を近づける」ことで生み出されるもの

ブランド名は「near.nippon」。「near」というのは「相反する要素を近づける」という意味を込めています。たとえばエレガントとカジュアル、マスキュリンとフェミニン——。そして実際に服を着ていただくお客さまとの“距離感”も近づけていけたらなと。僕たちが作りたいものとお客さまが求めるもの、その接点がどこなのかを常に考えながら服を作っています。

僕たちはアーティストではありませんから、ただ自分たちの作りたいものを作るのではなく、誰に向けて作り、どんなものが必要とされているのか、ということを常に俯瞰して考えています。デザインを続けていくうえで、お客さまのニーズを捉えることは非常に大切ですし、新たな発見もたくさんあります。答えがないからこそ、面白いところでもありますね。

そしてコンセプトの核となるのが、「新しいキャリアスタイルの創造」。

“デザインされた服”というのがもっと社会に進出していいと思うんです。「日常のオンとオフ」を近づける——そう考えたときに毎日仕事で着る服というのは日常と切り離せないものですよね。少しでも気分が上がる服をビジネスシーンに取り込んでいただけるよう、キャリアスタイルの新しい提案をしていきたいです。

日本人ならではの感性と手仕事から生まれるもの

ブランドを代表する柄物は、京都の手捺染で仕上げたオリジナルのプリントです。捺染というのは布に色模様を染め出す伝統的な手法で、あえて滲ませるという表現だったり、染めを重ねることで、独特の風合いがでてきます。捺染は、生地によって出来ないこともありますし、非常にアナログな時間のかかる作業。まずは図案を起こしてから職人さんと相談をして、ひとつひとつの作業工程を丁寧に進めていきます。

“サステナブル”に正面から向き合う服作り

地球環境やファッション業界を取り巻く問題を考えたときに、服作りにはどうしても矛盾を孕んでしまう要素があると考えていますが、まずは理解を深めること、そして自分達の活動のなかで、削減できること/できないことをお客さまにも明確にしていきたいです。できることに対して真摯に向き合い、丁寧に服作りを続けていけたらと思っています。

「下げ札には、お客さまがみたときに製造過程、商品についての詳細がわかるようにしています」(*)

下げ札を見てくださったお客さまに、こうやってつくられた商品なんだ、ということを知ってもらったり、小さなことかもしれませんが、ひとりひとりの意識付けに繋がれば嬉しいですね。

コロナ禍を経て、改めてユーザーとデザインの関係性をより強く考えるようになりました。洋服が持っている「即効性」といいますか、お気に入りの服を着ると元気になったり、どこかに出かけたくなったりしますよね。そうゆう服の持つポジティブな力が、誰かの役に立てばいいなと思います。

AnotherADdressではどんな服も気軽にチャレンジしていただけますし、例えば、普段柄物はあまり着ない方に、うちの柄物の服を手に取っていただいて、「案外似合うかも」という新しい発見や、褒められて嬉しかったとか、そうゆう体験を増やしていただけたら嬉しいです。

 

 

>ブランドプロフィール near.nippon 

near.nippon (ニアーニッポン)は、深山拓也と上島朋子が2000年に創立した日本のブランド。深山はデザイン、コンセプトを担当し、上島がそれを形にしている。近年は、「新しいキャリア層の創造」をテーマに、ビジネスシーンにおける自己表現、日常生活におけるクリエーションを提案。

 

公式サイト https://www.near-nippon.com/(外部サイトへリンクします)

AnotherADdressで取り扱いのnear.nipponの全アイテムはこちらから。
 

(*)AnotherADdressのレンタルアイテムには、下げ札はついていません。

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