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Designer Interview vol.08 リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)小浜 伸彦さん、リバー・ジャンさん

2022 November.09 #PEOPLE

22F/WコレクションよりAnotherADdressでお取り扱いがスタートする注目の新鋭ブランド、リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)のデザイナー、小浜 伸彦さんとリバー・ジャンさんに服作りへのこだわりや想いを語っていただきました。

始まりはセント・マーチンズでの卒業コレクション

ブランドを始めようと思ったきっかけは、卒業コレクションでのコラボが始まりです。僕たちが通っていたセント・マーチンズでは、生徒一人一人が卒業制作を手がけるのですが、僕らの作品を見た友人が、自分のショップに置いてみたらと声をかけてくれて。僕たちの作った服が隣同士で展示されているのを見て二人でコレクションを作ってみないか、と。

それで暇だし作ってみるか……と取り組んだら、これが面白くて。卒業後はそれぞれの国に帰って働いていたのですが、また一緒にやってみようか、というのがブランド創設のきっかけです。

 

効率的ではないからこそ、生まれるもの

僕たちの服作りは「効率的」ではなくて。もともとセント・マーチンズでは同じウィメンズ科のクラスメイトで、授業ではデザインもパターンもコンセプトづくりも二人で一緒にやることが多かったので、今もその延長のような感じでやっています。パターンとかも必ず片方がみて、片方がフィードバックして、また片方がそれを変えたり……という感じで、パスをしあいながら進んでいく感じです。

効率的ではないのですが、一方で、そうじゃないと出来ないことが意外とあったりします。例えば僕が描いたラフを、彼女が違った解釈をして面白くなることも。「それポケットのつもりじゃなかったのに、ポケットになってる」みたいな。

一人じゃ出てこないものが偶発的に生まれるのは面白いですし、そういう部分をデザインに落とし込むとすごく新しいものになるので、そこが僕たちらしさなのかなとも思っています。

 

日常に光る“ラグジュアリー”を見つけて

——毎シーズンのコレクションのインスピレーションは?

僕たちの服作りはパーソナルな部分からインスパイアされることが多くて、世の中の何かを見てというより、自分たちの思い出や日常にあふれている景色が原点です。そこに少しストーリー性のようなものを加えてドラマティックにしたり、ロマンティックに脚色をしながらという感じ。会話のなかで唐突にコンセプトも決まったりして、日常から生まれるアイディアがベースになっています。そこにいろいろ紐づけて、深堀していく感じになりますね。

これらの資料は僕たちの“コア”のような部分となるもののひとつ。

僕の友人の画家の本で、ドローイングがすごく素敵。彼とはデザインについてもいろいろ話す事があって、こういう風にしたらいいとか、色はこういうのがいいよね、とか、何が美しいと思うかというような、感性の部分で共鳴しあえる関係です。そういった身近な人にも影響を受けています。

僕が卒業コレクションの時に作った本です。歩いている時に見つけた素敵な窓の写真100枚を一冊の本にしていて、じつはここからクルミボタンの着想を得ました。

僕の卒業コレクションは、おばあちゃんの死がテーマ。家から出ることができず、ずっと窓から外を眺めていた人だったので、それで窓の写真を撮ろう思ったのがきっかけです。お亡くなりになった方に被せる布ってありますよね、それを僕はカーテンでパールのネックレスを包もうと思って。それがくるみボタンを取り入れるきっかけになりました。

ーー秋冬コレクションのテーマは?

テーマは「再会」です。韓国と日本、ブランドを立ち上げてから、作業はほとんどリモートでフィッティングまで済ませるという環境ですが、この秋冬コレクションを出す頃には落ち着いているんじゃないかという希望も見据えて作りました。再会をみんなで祝おう、というのがコンセプトになっていて、そこで再会の時に渡す花束だったり、涙で滲んだようなプリントといった「再会」のイメージが落とし込まれています。

花束を連想させるフラワープリントのジャガードを使用しています。ビーズとくるみボタンはブランドのシグネチャーとも言えるエッセンスのひとつです。

コートは後ろにギャザーを入れて、抱きしめあった時にできるようなキュッとしたシルエットに。ベルトを締めると、なお広がるような綺麗なラインが出てきます。誰もが持つようなくびれであったり、体の魅力的なシルエットがでる部分は無駄にせず尊重したいなと思っています。


ミューズは身近な人。“芯が強くタフな女性”

こちらのスカートはウエストがアジャストできるようになっていて、僕らのブックだとジャケットの上から着せています。

特に今回のシーズンあたりから、スタイリングにおいて幅があるようなデザインを意識しています。このアイテムはこう、という決まった着方だけでなく、こんなふうにも着れるし、こんなふうにも楽しめるよねという、その“余裕”みたいな部分を想像できるようにしています。

もともとブランドのミューズが彼女(リバー・ジャンさん)のお母さんであったり、タフで芯が強い女の人なので、そうゆう人が自分たちで選び取って、自由に楽しめるような服を作っていきたいです。

ライフサイズの“デイリークチュール”を目指して

「デイリークチュール」「デイリーエレガンス」といった、ラグジュアリーな要素や美学を、日常で着られる服に落とし込むというのを核にしています。“クチュール感”の押し出しが強いメゾンの服と違って、もう少し日常——ライフサイズに収めたいというのがあるので、デザインやパターンを考える時には特にそのバランスに気をつけています。モードとエレガンス、その両方を絶妙なバランスで取り入れていきたいなと思っていて、そのバランスの追求に関しては、一番長い時間かけて話し合っているところでもあります。

「恐れずに、新しいものに触れてほしい」

既存の概念にとらわれずにスタイリングを楽しんでほしいとお話しましたが、アナザーアドレスは気軽に挑戦できるという部分が強みだと思うので、恐れず新しいものに触れていただけたらと思っています。そして、それが僕たちの洋服だったらすごく嬉しいです。

今後ブランドとしても新しいことを取り入れて、変化していきたいです。日本と韓国を行ったり来たりしながら、広い視野を持っていろんなことが出来るようになればいいなと思っています。

 

 

 

>ブランドプロフィール RIV NOBUHIKO

セントラル・セント・マーチンズを卒業後、海外メゾンでのキャリアを持つ日本籍の小浜 伸彦と韓国籍のリバー・ジャン(River Jang)のインターナショナルなデザイナーデュオが手掛けるブランド。2020年本格的に活動をスタート、日常のラグジュアリーを落とし込んだアイテムを展開。


公式サイト (外部サイトへリンクします)

AnotherADdressで取り扱いのRIV NOBUHIKO全アイテムはこちらから ⇓

 

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