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Interview vol.07 クリエイティブディレクター 西村英雄さん

2021 April.21 #PEOPLE

AnotherADdressの立ち上げから携わってきたクリエイティブディレクターの西村英雄さんにお話を伺いました。

 

メインヴィジュアルで目指したもの

「メインのヴィジュアルは、ファッションの壮大さや心地よさ、このサービスの気軽さ、ということをテーマにしていて、簡単に言ってしまえばファッションの感覚的な部分をひとつのヴィジュアルにすることが使命。それに対してどんな方々と一緒につくったらベストの仕上がりになるのかな、というところから始まりました。アイデアを信頼できる方々にお任せできる撮影現場は本当に楽しく、仕上がりも想像以上になりました。ご一緒したみなさんとの縁がこうして形になって、自分がイメージしていたよりも何倍もいいものが出来上がったと思います。関わってくださる人の想いややるべき事を結ぶ作業が僕の役割だと思っています。AnotherADdressは店舗を構えているわけではないので、ウェブサイトがお客さまとの接点になります。そこでユーザーの皆さんが一番初めに目にする部分がクリエイティブな部分。そのため、まずはこのサービスがなにを伝えたいのかを具現化して、お客さまに丁寧に発信していきたいです」

 

——ブランドの選定や服のセレクト、アイテムのスタイリングも手がける西村さん。そのこだわりは?

 

「ブランドやデザイナーさんに対してのリスペクト。これは常に忘れず一番大切にしています。でもルック通りのスタイルではなく、いい意味でちょっと裏切りたいという気持ちもあります。単純な組み合わせではなく、自分というフィルターを通して何か新しい訴求ができたらいいなと思っています。普通に着たって素晴らしく素敵なものを、『そう着るんだ』と思ってもらえるようなちょっとした面白さや違和感は、僕の感覚的なところもありますが意識していますね。それがどう伝わるかというのは受け取る側次第ではありますが、不特定多数の人に向けて、好きor嫌いで判断できるようなものを提案できたらと思います」

 

AnotherADdressとの出会いについて

「参加するきっかけはやっぱり“人”。婦人服を多く扱ってきた百貨店の若いメンバーが、今、やらなくてはいけないことへの使命を全うしようとする熱意を受けて、自分にも協力できることがあればと。仕事としてはこれまで培ってきたものをさらけださないといけないので、信頼して自分を出せることも大切なことのひとつ。それも含めて、人が決め手だったと言えます。立ち上げ時からひとつひとつを一緒に作ってきたチームのメンバーには、僕に正解をゆだねるのではなく、『お客さまがあって成り立っているというのを忘れないでほしい』という思いを伝えています」

ファッションの未来に繋がるサービスに

「数年前は洋服が好きな人がたくさんいて、ファッションについて熱く語り合うことも珍しくなかったのですが、最近は僕自身、世の中全体的にファッションに対する意識が希薄になったような感じがしています。以前よりファッション以外のもので自分を表現できるようになったということもあって、洋服が第一線のものではなくなっているのかもしれない?と思うことがあります。チープなトレンドを追う、ワンシーズンで捨てられるもの、大げさに言ってしまえば、着られるならなんでもよくない?というようなことで、ファッションが衰退していくのは嫌だなと。だから「売る」とか「買う」とかではない新しい部分で、ファッションの本質的な価値と人を繋げられる何かができたらいいですし、このAnotherADdressというサービスが世の中と人々、そしてファッションの未来に繋がっていくひとつのタッチポイントになったらいいなと思います」

 

ファッションをもっと楽しく自由に

「“服を着ること”って“考えること”だと思っています。色や素材を掛け合わせたり、コーディネートを組むうえで創造することが必要になりますが、それに対して、答えを欲しがる人が多いのかもしれません。でも本来ファッションって答えのないものだからこそ、もっと自由な発想で、オープンマインドになっていくべきだと個人的には思います。だから数分の試着ではなく、その服と過ごせる、ということはチャレンジするのにすごくいいきっかけになると思います。日頃着ないような服を着てみる、それ自体がすごく新鮮なことだし、新しい発見に出合えるような。なんでもありのこの時代だからこそ、とにかく着たいものを着てみよう!!ってくらいの気持ちで(笑)。AnotherADdressを通じて、ファッションで表現することをもっと純粋に楽しんでほしいです。ユーザーの皆さまにお届けしているスタイリングやコンテンツが誰かの日々のインスピレーションになったら嬉しいですし、そうなると信じています。いつもと違う自分を表現してもいいし、いま持っている服でも違う着方ができるという発見を持って帰ってもらうだけでもいい。ファッションに対する考えをチューニングするきっかけになればいいなと思います」

 

>プロフィール

西村英雄 Hideo Nishimura

1976年長崎県生まれ。文化服装学院卒業後、古着リメイク、雑誌・映画の衣装製作を手掛ける。ファッションブランドでパタンナーアシスタント、プレスを経験後、2004年よりブランド「A.D.」をスタートし東京コレクションに参加。2008-09 A/W「A.D.」活動休止。2010年よりフリーランスとして独立し、クリエイティブディレクター、ファッションデザイナーとして活動中。

 

 

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