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Interview vol.04 メイクアップアーティスト岡田知子さん

2021 March.11 #PEOPLE

メインヴィジュアルのメイクを担当したメイクアップアーティストの岡田知子さんにお話を伺いました。

 

メインヴィジュアル撮影について

「AnotherADdress」のローンチ後初のヴィジュアル、さらに素晴らしいメンバーでの撮影で、さらにプロジェクトのテーマも壮大。このテーマに携われるような自分になったという意味でも、とても緊張したお仕事でした。撮影はとにかく楽しく、ハッピーな現場でした。モデルさん3人の相性も素晴らしかったです。

今回は松浦さんにヘアをご担当いただけるということで、それもとても興奮材料になりました。普段はヘアとメイクの両方を担当することが多いのですが、いつものように自分一人のさじ加減だけでは完結しないので、ヘアとメイクのトータルバランスを察するアンテナをいつも以上に多く持っておきます。ちょっとした一言で気分をキャッチしたり、「ヘアがこうくるならメイクはこうしよう」という、松浦さんの投げかけに対して上手いボールを返せたらいいな、ということを意識していました。

 

“動く顔”を捉えるメイクを

メインヴィジュアルでは3人の女性が登場していますが、どんな撮影でもまずは描かれるべき人間像を考えます。今回のコンセプトは「ナチュラル」——自然派という意味ではなく、“素直に生きている人”というのがテーマにありました。

そのため肌をヘルシーにつくるというのがまずベースにありますが、加えてモデルさんの表情が活きてくるメイクも意識しました。メイクの技術的なことで言うと、より一層表情が活き活きと見えるように、ハイライトの位置を工夫したり。“動く顔”を捉える撮影でありたいと思っていたので、モデルさん自身の表情や魅力をより豊かに引き出すためのメイクを心がけました。

 

ちょっとした違和感を楽しみたい

コートを羽織っているルックでは、コートというデイリー感のあるアイテムにちょっとだけ違和感をプラスするために、あえてマットな赤リップを効かせました。メイクの色や質感がもたらす少しの違和感やギャップが、さらに服のよさを引き立てると思いますし、着こなしを楽しむことにもつながると思っています。

ちょっとした違和感を加えるというのはいつも大切にしていることのひとつ。例えばこの空から海、砂のグラデーションのように、自然がつくりだす配色ってある意味完璧。この美しく完成された色あわせをどう崩すか、そういうロジックでメイクをすることが多いです。

 

服をもっと自由に楽しむきっかけに

デザインのある洋服を着るとき、とことん丁寧にボディクリームやオイルなどを塗って肌にツヤや立体感をだしたりすると、それだけでスッキリ見えます。ちょっとした意識を自分に向けることによって、服はもっと楽しめますよね。今回の撮影ではボディクリームに加えて首筋にもハイライトを入れて、肌の質感がよりヘルシーに美しくみえるようにつくりました。

腕や脚を出してみたいけど出せない、躊躇ってしまう、勇気がでない……自ずと服の選択肢を狭めている人も多いと思うんです。でも、もしボディにツヤがあったら。肌を思い切って出してみたときにハッとしたり、自信が持てたり、案外楽しいかもしれない。メイクやボディケアが、服を楽しむために背中を押したり、なにかひとつ自信をもたらすきっかけになったらいいなと思いますね。

服のサブスクリプションサービスは、気楽に楽しめるという意味でメイクと少し似ていて。気になる服を試してみて似合わなければまた戻せるし、メイクだって違うなと思ったら簡単に落とせる。自分のスタイルがわからなかったり、逆に今のスタイルが崩せない人にとって、実際に試してみることはとても大切ですよね。ちょっとだけいつもより思い切ったことをしてみるだけで新たな発見がありますし、失敗しても自分のなかに引き出しが増えるだけで十分。そのなんでもチャレンジできる気楽さを楽しむ前に、まず肌のケアをしておくとか、スキンケアで肌の状態を引き上げておくというのはぜひ意識してみてほしいですね。

 

気負わずバランスをとる暮らしを

サスティナブルを考えたときに、明日からミニマリストになって自給自足、なんてことは東京で暮らして働いているともちろん難しい。だからまずは自分にできることのなかでバランスを取れるなにかを見つけるだけでもいいと思います。例えば、私は海遊びが趣味なのですが、海に遊びに行くときには、できるだけ自然に還らないものを使わない。うちで使ったり旅先で使う洗剤やスキンケアは、できるだけ環境に優しいものを。そうやって自分にできることのなかでルールを設けています。いつどんなときにも“こうあるべき”を決めつけて、完璧を追求するとだんだんと息苦しくなってきますよね。自分にできること、できないことを考えて、うまくバランスをとって生きられたらと思います。

 

 

 >プロフィール

岡田 知子 Tomoko Okada

日本大学芸術学部に入学後、メイクスクールを経てNYへ渡米。2006年より日本に拠点を移し、現在はファッション誌や美容誌をはじめとする数多くのメディアや広告で活躍。表面的ではない、女性が持つ芯の美しさが投影されたメイクが大人気のヘア&メイクアップアーティスト。

Instagram: https://www.instagram.com/tomokookada/

 

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