衣道vol.10 一歩先にある「夏のわたし」をしつらえる

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2025.06.26
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JFNISTA(ジェイエフ二スタ)による「衣道(ころもどう)」という考え方をもとに、本当に似合う服を選べる「JFメソッド」を15回にわたって毎週お届けする連載企画

 

第9回目では、これまでの歩みを振り返りながら、よくいただくお悩みにお答えしました。第10回目の今回は、肌見せに対する感覚を見つめ直しながら、一歩先の「わたし」をどうしつらえるか?という視点をお届けします。

 

「着られる服」ではなく、「着たい服」を選ぶ夏

夏になると、どうしても「快適さ」を優先しがち。通気性のよい素材、汗を吸うインナー、軽やかな羽織りもの…。もちろん、機能性はとても大切です。でも、ふとした瞬間に「何か物足りない」と感じたことはありませんか?


そんなときこそ、自分の「内側の声」に耳をすませてみてください。クローゼットで服を決める前に、「今日はどんな風に過ごしたい?」と、自分にそっと問いかけてみる。その答えを導くヒントが、印象キーワードでしたね。印象キーワードは、ただの装いのテーマではありません。今日をどんな「わたし」で生きるかという意志の小さな宣言なのです。 服を着こなすというより、今日のわたしを「育てる」ような気持ちで、着たい服を着て夏を満喫しましょう。

「肌」をスタイリングの余白に

夏の装いには、少しだけ冒険心が宿ります。例えば、「肌見せ」という選択もそのひとつ。肌は色も質感も自分だけのオリジナルですし、内面を繊細に表現するパーツでもあります。

潔く、肌で魅せる

印象キーワードに「色っぽさ」「大胆さ」「ヘルシーさ」などがある人は、主役は肌!と思いきって首や鎖骨、肩、背中を見せるアイテムがしっくりくるかもしれません。

コーデ例①

色もデザインもシャープなトップスは、潔く色気を出すにはぴったりなアイテム。曲線の美しい凝ったデザインのスカートとの対比を楽しみましょう。小物でツヤと遊び心を追加すれば粋でヘルシーな色気を醸し出せます。

 

コーデ例②

これだけ肌の露出が多いトップスは、敢えてデコルテまわりにアクセサリーを入れないのもおすすめ。鎖骨や肩先にハイライトやグロウ系下地を仕込むと、まとう空気まで、しっとり艶めきます。

 

コーデ例③

一見フォーマルでシックなのに、背中は大きく開いている‟裏切りワンピース”。敢えて、インナーにバックオープンキャミソールを着用すれば、胸元は隠して、背中で「ドキッ」とさせる余韻を生み出せます。

 

さりげなく、肌で魅せる

一方、「可憐」や「やわらかさ」、‟知性”や‟余裕”などは、肌のちら見せで表現することができます。透け感やデコルテラインの見せ方で調整してみましょう。

コーデ例①

ヌーディーすぎない透け素材で肩まわりを軽やかに演出するトップスは、見えそうで見えない曖昧さが魅力。ハリのあるカラフルなパンツと相性抜群です。バッグとアクセサリーで華を添えて。

 

コーデ例②

肌見せが肩先に一点集中するワンピースは、やわらかい色合いで肌の色になじませると、肩の肌見せがとても自然になり、洗練された女性らしさを演出できます。

 

軽やかに、肌で魅せる

コーデ例①

肌見せは上半身だけではありません。透ける足元が放つ軽やかな抜け感をつくると、夏らしい清涼感とともに、どこかはかなげな女性らしさを醸し出すことができます。

 

コーデ例②

裾が独特なデザインのスカートは、見る人にふっと二度見させる「しかけ」。フェミニンさの中に忍ばせたユーモアから生まれるコーデの奥行きと余裕を楽しみましょう。

 

重ねて魅せる、夏の肌

そして、強い日差しや冷房の風から肌を守る「羽織りもの」は、夏の肌見せコーデの頼れる味方。透け感のあるシャツや薄手のジャケット、ストールなどをさっと重ねるだけで、装いにニュアンスと立体感が加わります。


少し鮮やかすぎると感じる色も、シアー素材で取り入れるとやわらかい印象に。ジャケット自体に肌見せが織り込まれている場合は、トップスにシンプルなタンクトップなどを合わせるとバランスが良くなります。ストールは1枚持ち歩くと、ちょっと肌寒いときに役立つ万能アイテムです。


 

美しさの定義は、あなたが決めていいい

モヤモヤはチャンス

さて、「このトップス、可愛いな」「肌見せ、素敵だな」そう思っても、「でも私には似合わないかも」と、一歩引いてしまう方も少なくないと思います。「着たい気持ち」と「無理かも」という心の声。‟素敵でいたい、幸せに過ごしたい”という願いはあるのに、自分で自分を止めてしまう。私たちはこんな風にブレーキとアクセルを同時に踏んでしまうから、モヤモヤするのです。


でも、そのモヤモヤは「本当のわたし」に向かいたいというサイン。心が少しずつ動きはじめている今、これらを「着ない理由」にしてしまうのではなく、「わたしを試してみる」機会に変えてみませんか?
 

色白がいいという価値観があってもいい。けれど、小麦肌にしかない魅力もあることを忘れないでください。「細い二の腕じゃないから…」「華奢な背中じゃないから…」「きれいな肌じゃないから…」と無意識のうちに課してきた「美しさの条件」を取り払い、「この腕の存在感こそ、わたしらしさ」「この背中で生きてきたんだ」「この肌にしかない魅力がある」と思えるようになったとき、あなたはきっと今の自分をもっと愛おしく感じられるはずです。

「〇歳らしさ」より「わたしらしさ」

例えば「〇十代 ファッション」と検索するように、私たちは無意識のうちに年齢というフィルターを通して服を選びがちです。それは、時に自分を守ってくれるやさしい鎧。‟年相応”という言葉のもとに、安心や共感を得られることも確かにあります。でも、そのフィルターに頼りすぎると、いつの間にか「今のわたし」にぴったりな選択肢を見失ってしまうことも。「本当はこうしてみたい」と思う気持ちがあるなら、その感覚を信じて、そっと一歩踏み出してみませんか?

 

JFメソッドで「衣道」を歩んでいくと、これまで「リスク」だと感じていたことが、実は「味方」だったと気づく瞬間に出会います。世間の正解にほんの少しズレているくらいが、実はちょうどいい。その「ズレ」こそが、あなたの魅力。だからこそ、美しさの定義はもっと自由でいいのです!
 

まとめ

今回は肌見せ=肌魅せをお伝えしましたが、肌は見せないと決めるのも‟あなたらしさ”です。条件付きの魅力ではなく、「このわたしがいい」と思えることが、衣道の本質。印象キーワードをベースに「今日はどんなわたしで過ごしたい?」と問いかけ、湧き出る感覚を大切にしながら、暑い夏でも‟心地よさ”と‟わたしらしさ”を妥協しないスタイリングを楽しみましょう。「今の私」より、少しだけ未来の自分を思い描きながら、毎日の装いが「一歩先のわたし」をしつらえる時間になりますように。


次回の第11回目のお稽古では、おしゃれは全身の総合バランスが鍵、自撮り習慣のポイントと効能を具体的にお伝えします。日々の装いに、またひとつ新しい視点を添えていきましょう。

 

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