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Designer Interview vol.03 IN-PROCESS Tokyo(イン-プロセス トーキョー)デザイナー大原由梨佳さん・スティーブン・ホールさん

2021 October.27 #PEOPLE

IN-PROCESS Tokyoを手がけるデザイン・デュオの大原由梨佳さん、スティーブン・ホールさんのお二人に、服づくりへのこだわりを伺いました。

お互いの感性を擦り合わせながら。ロンドンで生まれたデザイン・デュオ

小さいころから絵を描いたり、物をつくることが好きで、高校生の時には服を作ったり、文化祭でファッションショーを企画・製作したりもしました。将来のことを考えるタイミングで母が背中を押してくれたこともあり、イギリス・ロンドンでファッションを学び、その道を志すことに。セントラル・セント・マーティンズ美術大学で当時クラスメイトだったスティーブンにも出会い、卒業した翌年、2人でIN-PROCESS Tokyoの前身となるブランド『ホールオーハラ』を立ち上げました。

スティーブンも昔から絵を描いたりすることが好きで、アートにも造詣が深いですね。シュルレアリスムをはじめとするアートからインスパイアされることや服に対する捉え方というのはIN-PROCESS Tokyoの核となる部分でもあります。

実は学生の頃は、お互いのつくる服のテイストは全然異なっていて。スティーブンは落ち着きながらもアーティスティックで、コンセプチュアルなものでした。一方、私は色やテキスタイルをミックスしたり、パッと見て目立つようなものを作っていて。ただ2人ともヴィンテージやモダンなテイストが好きというのが根底にあったので、時間とともに擦り合わせながら、今のモダン・ノスタルジアを特徴としたスタイルに落ち着きました。

服作りにおいて、クリスチャン・ラクロワの独自のスタイルや色使いのセンスや、シュルレアリスムの、関連性のないものから新しいものが生まれる面白さにも影響を受けています。
 

「服が完成するまでの過程にある美しさを捉えたい」

——「IN PROCESS」とは“進行中”を意味する言葉ですが、そのブランド名に込めた思いとは? 

 

洋服のエネルギー源はその作業プロセスにある、という概念がコンセプトです。洋服のオーラそのものを捉えるうえで、服が完成するまでの過程にある美しさを大切にしています。

洋服というのは、完成された最終形態はもちろん美しいのですが、フィニッシュされていない状態がとても面白いんですよね。服が作られる過程で、ディテールを入れたりするプロセスを大切にしたいという思いを持って作っています。

2021秋冬コレクションのテーマは?

秋冬コレクションのテーマは「FUTURE VINTAGE」。クラシックとカジュアルな要素をミックスしながら、ヴィンテージ・ミリタリーのエレガンスを加えました。シャーリングのディテールやオリジナルの刺繍、ゆったりとしたコクーンシルエットなど、プレイフルな遊び心も随所に散りばめながら、リサイクル素材を使用したキルトやエコフレンドリーなボアファーといった、サスティナブルな素材感を採用し、ヴィンテージライクな生地とのドッキングもポイントです。

ジャケットは背面に施されたシャーリングのディテール、生地のボリューム感が特徴。
カジュアルなデニムとレザーライクのプリーツでエレガントな要素を掛け合わせたスカート。

コロナ禍においての変化やサスティナブルという観点で意識されることはありますか?

“パッと着て、パッとスタイルが決まる”という着やすさは、コロナ禍以前からずっと変わらず意識しています。どんな環境やライフステージにいる女性も着やすいうえに“高揚感”のある服を提案していきたいです。また環境やサスティナブルといった観点では、リサイクルのポリエステルやエコフレンドリーのファーといった素材をより積極的に取り入れるようになりました。

洋服が大量に消費される社会で、AnotherADdressのサービスというのは、洋服を手に取るひとつの機会として面白いアイディアだと思います。購入する、お店で試着する以外の服との関わり方を楽しんでもらえたらと思いますし、IN-PROCESS Tokyoは異素材の生地のミックスだったり、着た時のシルエットに特徴が出るような服作りをしているので、ぜひ実際に着用して、試していただきたいです。

 

 

>プロフィール

大原 由梨佳/スティーブン・ホール

ロンドンのセントラル・セント・マーティンズ美術大学で出会い、ともに2003年に首席で卒業。05年「HALL OHARA(ホール オーハラ)」を立ち上げる。09年より「IN-PROCESS Tokyo(イン-プロセス トーキョー)」として東京を拠点として活動。06SSコレクションでブリティッシュ・ファッション・カウンシルより新人デザイナーに寄与されるNEW GENERATION賞を受賞し、ロンドン・コレクションでデビュー。他業種とのコラボレーションやライセンスなど、その独特なプリントワークを活かしたデザインで、ファッション以外でも作品を発表中。

 

IN-PROCESS Tokyo

https://www.in-process.org
 

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