衣道vol.08 なぜあの人はおしゃれに見える?人>服を叶える"要素量"の法則

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2025.06.12
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JFNISTA(ジェイエフ二スタ)による「衣道(ころもどう)」という考え方をもとに、本当に似合う服を選べる「JFメソッド」を15回にわたって毎週お届けする連載企画


第7回目では、自分の身体の特徴やコンプレックスを「個性」として活かすヒントをご紹介しました。第8回目となる今回は、JFメソッド流の「おしゃれな人」の定義と、コーディネートを組む際のポイント「要素量」についてお伝えします。

「おしゃれな人」とは、服を含めたその人自身に目が行く人

「おしゃれ」とは一体どういう状態を指すのでしょうか。JFメソッドでは、服のコーディネートのバランスだけでなく、服を含めたその人自身を見た時に魅力的だと感じる状態を「おしゃれ」と定義します。


つまり、「人 > 服」の状態であることが重要なのです。これまでの連載で、自分自身の内面や外見を丁寧に観察し、深く掘り下げてきたのはそのためです。お洋服をまとった「わたし自身が素敵」と感じられることで、ファッションはもっと、そして人生ももっと楽しくなるはずです。

 コーディネートを組む際は「要素量」を理解することが重要

服を含めたその人自身が魅力的に見えるコーディネートを組むためには、押さえておきたいポイントがあります。それは、1つひとつのアイテムと、自分自身が持つ「要素量」を確認し、トータルバランスがどうなっているかをよく観察することです。


要素量とは、主に素材・質感、形、柄、そして色から構成されます。例えば、カラフルな柄物でカッティングが個性的なアイテムは要素量が多く、逆にシンプルでオーソドックスなアイテムは要素量が少ないと言えるでしょう。一方で、あなた自身が持つ「要素量」についても目を向けてみましょう。これは、第6回、第7回で詳しくお伝えした「器の棚卸」と通じる考え方です。例えば、目が大きくて太い眉なら顔の要素量は多め、華奢な体格なら体の要素量は少なめといった具合に、ご自身の特徴を要素量に置き換えてみてください。

アイテムから読み解く「要素量」

あなたが普段手に取るアイテムも、実は様々な「要素量」を持っています。ここでは、いくつかのアイテムを例に「素材・質感」「形」「柄」「色」の4つの項目において、どのくらいの要素量を持っているのか、★5段階で表してみます。

アイテム例①マルチカラープリントギャザーブラウス|MSGM

素材・質感:★

形:    ★★★★★

柄:    ★★★★★

色:    ★★★★★

アイテム例②切替デザインジャンパースカート|FURFUR

素材・質感:★

形:    ★★★★★

柄:    ★

色:    ★★

アイテム例③スパンコールチュールスカート|MAX&Co.

素材・質感:★★★★★

形:    ★

柄:    ★★

色:    ★

アイテム例④ボウタイ付フライフロントブラウス|Theory luxe

素材・質感:★

形:    ★

柄:    ★

色:    ★

 

要素量は、多ければ良い、少なければ良いというものではありません。大切なのは、以下の2点です。


①表現したい印象キーワードにちょうどいい量であるか
②自分自身を含めた全身のバランスを見て、足し算・引き算が適切にされているか


「ちょうどいい」とは、必ずしも明確な数字があるわけではありません。まずは、アイテムが持つ要素量が、あなたのなりたい印象と調和しているか、ご自身の感覚で感じてみてください。実際に様々なアイテムを試していく中で、あなたの感覚で「ちょうどいい」と感じるポイントがきっと見つかります。

要素量を意識したコーディネート例

続いて、実際にコーディネート例を挙げながら、要素量を見ていきましょう。

コーディネート例①

一般的なウェーブタイプ向けのセオリーよりも、少しエッジの効いたワンピースとバッグをチョイス。インナーには、ブラウンやブラックのシンプルなタンクトップを合わせるのがおすすめです。 


注目すべきは、ワンピースの要素は「形」に、バッグの要素は「柄」と「色」に集中しており、要素の項目がずれている点です。要素量の多いアイテムを2点以上取り入れる際は、このように要素の集中する項目をずらすことで、足し算コーデのバランスが取りやすくなります。ヘアスタイルはタイトにまとめ、靴はシンプルなものを合わせると、全体のバランスがさらに整うでしょう。
 

コーディネート例②

印象キーワードである「華やかでチャーミング」を、単品で表現できるスカートを主役アイテムにしたコーディネート。スカートは、素材・質感、形、柄、色のすべての項目において要素量が高めなので、他のアイテムはそれを活かすよう控えめなものを選んでいます。 


骨格ナチュラルタイプは大きめサイズのバッグがバランス良いとされていますが、あえて可愛らしいサイズ感の淡いピンクのショルダーバッグを合わせることで、チャーミングな印象を強調。骨格やパーソナルカラーに合ったドルマンスリーブ、大判柄、明るい色を取り入れることで、自分自身の強みを活かしながら印象キーワードをしっかりと表現しています。
 

コーディネート例③

ブルーからホワイトへのグラデーションで、全身を爽やかな印象でまとったスタイル。パンツの裾がやや絞られたデザインとゴールドのボタンがアクセントとなり、都市に映えるスタイリッシュな装いに。オーソドックスなフォルムで存在感のあるボストンバッグは、骨格ストレートタイプにぴったりのアイテムです。


全体の要素量は比較的控えめなコーディネートですが、各アイテムのさりげない主張のおかげで、洗練された都会的なスタイルを作り出しています。
 

要素量を意識して、似合う・似合わないを理論的に学ぼう

 今まで無意識に手に取っていたアイテムも、要素量という観点から細かく分析すると、なぜ似合うのか、なぜ似合わなかったのかが見えてきます。大切なのは、アイテムだけでなく、必ず自分自身の特徴や印象キーワードと絡ませながら考えることです。
 

次回の第9回目は、これまでの「衣道」のお稽古をおさらいしつつ、JFメソッドを実践する中でよくあるお悩みと、その解決に役立つワンポイントアドバイスをお届けします。JFNISTAのご提供するセッションでは、他者の視点を取り入れながら、自分の魅力を多角的に見つめていくサポートも行っています。気になる方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
 

■衣道ホームページURL:
https://jfnista200.wixsite.com/mysite
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要素量への理解をもっと深めたい方はこちらの記事もおすすめです。
【tips】洋服の「要素量をはじく」とは|前編 | 【自分軸】で服を着る!JFニスタのドキュメンタリー
【tips】洋服の「要素量をはじく」とは|後編 | 【自分軸】で服を着る!JFニスタのドキュメンタリー
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