晩夏~秋にかけて活躍する【メンズ】銘品特集

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2025.08.28
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夏から秋の季節の変わり目は「何を着ればいいのか」迷う時期。そんなときに頼りになるのが、時代を超えて愛されてきた“銘品”です。

 

歴史に裏打ちされたアイテムは、着るだけで大人の余裕を感じさせ、日常のスタイルを格上げしてくれます。今回は、そんな男性の定番ともいえるメンズの銘品をおすすめの着こなし方とともにご紹介します。

晩夏~秋にかけて活躍するメンズの銘品10選

キューバシャツ

キューバシャツは、キューバやメキシコで伝統的に着用されてきた開襟シャツで、本国キューバでは冠婚葬祭や公務員の制服として使われるほど格式ある衣装とされています。襟元が最初から開いたオープンカラーや、コットンやリネン素材をメインで使用することで、熱帯気候でも涼しく過ごせるのが特徴。

 

その起源は定かではありませんが、キューバからメキシコのユカタン州へ渡ったグアバ農家が作業服として着用していたことが始まりとされています。現地では“グァジャベーラ”と呼ばれ、収穫したグアバをなるべくたくさん持ち運べるように4つのポケットデザインにしたり、ラテンカルチャーを象徴する刺繍やプリーツ装飾を施したりしてキューバシャツの原型が誕生しました。現在ではデザイナーズブランドやハイブランドもそのデザインを取り入れ、キューバシャツは夏に欠かせないメンズの定番アイテムとして広く愛されています。

 

■キューバシャツのおすすめの着こなし

 

キューバシャツは、オープンカラーや刺繍などのおかげで羽織るだけでスタリングが決まる万能アイテム。ボトムスにはゆったりめなシルエットのデニムやチノパンなどを合わせて、抜け感のある大人のリラックススタイルがおすすめです。

 

レーヨンオープンカラーシャツ

レーヨンオープンカラーシャツのルーツは、1950~60年代のアメリカにあるとされています。戦後のアメリカでは、ロックンロールの原型と呼ばれるロカビリー音楽の隆盛とともに派手な色柄のレーヨンシャツが大量に生産され、エルヴィス・プレスリーを始めとする著名なミュージシャンに多く愛用されてきました。

 

その後、ボウリングシャツやアロハシャツなど、週末の余暇を楽しむカジュアルシャツの代表格として開襟デザインのレーヨンシャツが定着。シルクのような光沢となめらかな肌触り、高い吸湿・放湿性のおかげで着心地もよく、当時のカジュアルファッションの象徴とも言えるほど、人気を博したアイテムです。

 

■レーヨンオープンカラーシャツのおすすめの着こなし

 

レーヨンオープンカラーシャツは、とろみのある素材感と落ち感が魅力で、暑い夏の時季にも快適に着られるアイテム。ヴィンテージ感のあるカラーや柄を選べば、スタイルにさりげなく個性をプラスできます。ベーシックなカラーを選んでワイドパンツにタックインすれば、ぐっと都会的なムードに。

 

シアサッカーパンツ

シアサッカーパンツとは、涼感素材であるシアサッカー生地を用いた夏の定番アイテム。シアサッカー生地自体は18世紀初頭のインドが発祥とされており、語源はペルシャ語の「ミルクと砂糖」を意味する“シーロシャカー”。シアサッカー特有の表面にある凹凸のある質感を「なめらかな部分(ミルク)」と「ざらついた部分(砂糖)」に例えたところから名付けられました。

 

その後、ヨーロッパやアメリカで夏用スーツやシャツ、パンツなどに広く普及。肌離れもよく汗をかいてもすぐ蒸発してくれる点や、ノーアイロンで着られる扱いやすさから、日常着としても浸透していきました。

 

■シアサッカーパンツのおすすめの着こなし

 

シアサッカーパンツは、蒸し暑い日本の夏から残暑の秋口まで、オン・オフ問わず快適さと爽やかさを両立してくれるのが魅力。通勤シーンでは、ジャケットと合わせてセットアップ風に着こなせば、軽装でも大人顔に。無地Tシャツやリネンシャツをラフに合わせて、リラックスした雰囲気にすれば、休日のお出かけシーンにもぴったりです。

 

シャンブレーシャツ

シャンブレーシャツは、ワークウェアやミリタリーユニフォームとして長い歴史を持つ銘品の1つ。1500年代のフランスのカンブレーという町が発祥とされており、その町の名がそのまま「シャンブレー」という生地の呼び名の語源になっています。当時は主に聖職者が身に纏う衣類などに使われていましたが、生地の丈夫さからミリタリーウェアやワークウェアなどにも多数採用。

 

その後戦後には、マーロン・ブランドやスティーブ・マックイーンなどの映画スターが劇中でシャンブレーシャツを着用したことで一気に一般ファッションに浸透し、カジュアルシャツの定番になりました。

 

■シャンブレーシャツのおすすめの着こなし

 

シャンブレーシャツは、デニムのような無骨な表情とシャツとしての軽快さを持ち合わせた優れもの。ボトムスにチノパンを合わせたカジュアルスタイルや、スラックスと革靴を合わせた上品スタイルなど、気分やシーンに合わせた着こなしを楽しめます。秋はニットやカーディガンとレイヤードして、ブルーの差し色をさりげなく取り入れた着こなしもおすすめです。

 

バンドカラーシャツ

バンドカラーシャツは、襟部分に折り返しのない帯状の「台襟」がつけられたシャツ。そのデザインの歴史は古く、約700年前の14世紀のフランス・ノルマンディー地方までさかのぼります。首元を寒さから守る目的やノーカラーシャツの補強として、当時の貴族が考案したとされています。のちに襟だけを取り外せるバンドカラーシャツも登場し、帰宅後には襟を外して家でリラックスして過ごすというスタイルが広まっていきました。

 

さらに、バンドカラーの原型は普段着としてだけでなく、聖職者の服や軍服にも採用され、現代においてもシンプルながら洗練されたシャツとして、多くのブランドからリリースされています。

 

■バンドカラーシャツのおすすめの着こなし

 

バンドカラーシャツの魅力は、首元をすっきり見せ、カジュアルでありながら品の良さを漂わせてくれる点。例えば、白や淡いブルーを選んでノーネクタイでジャケットと合わせれば、ほどよく力の抜けたビジネスカジュアルに仕上がります。秋口にはカーディガンやブルゾンを羽織った重ね着スタイルを楽しむのも◎です。

 

ファティーグパンツ

ファティーグパンツは、1940年後半~50年代にかけてアメリカ軍の作業用のパンツとして誕生したミリタリーボトムスです。ファティーグとは英語で「疲労」「作業服」などの意味合いがあり、その名の通り兵士が雑務や作業時に着用するために開発されました。正式名称は「OG-107ユーティリティパンツ」と呼ばれ、OGはOlive Green(オリーブグリーン)、107はアメリカ軍指定のカラーコードを指します。

 

当初は軍人専用でしたが、その便利さゆえ民間の作業服としても広まり、特にパン職人(ベイカー)が愛用したことから、「ベイカーパンツ」との呼び名でも親しまれるようになりました。

 

■ファティーグパンツのおすすめの着こなし

 

ファティーグパンツはカジュアルなアイテムでまとめすぎると、少し野暮ったい印象になってしまうので、きれいめなアイテムを混ぜるのがポイント。トップスにはシャツやジャケット、足元にはレザーシューズなどを取り入れることでミリタリー感が中和され、大人っぽく仕上がります。

 

カバーオール

カバーオールは「チョアジャケット」や「エンジニアジャケット」とも呼ばれるワークウェアの定番アイテム。18世紀頃の欧米で、農夫や鉄道作業員、鉱山労働者などが作業着として着用したのがルーツとされています。デニムやダック地といった厚手で丈夫な素材が使われ、汚れや酷使に耐えられる点が大きな特徴です。本来「カバーオール」という言葉は上下がつながった“つなぎ服”を指しますが、日本ではシャツジャケット型のワークジャケットを指すのが一般的。

 

近年ではその実用性と無骨なデザインが再評価され、ストリートやアウトドアはもちろん、ミリタリーやヴィンテージスタイルなど幅広いファッションに取り入れられています。

 

■カバーオールのおすすめの着こなし

 

カバーオールは季節の変わり目である晩夏~秋にはライトアウターとしても活躍してくれます。ジーンズやチノパンを合わせて、王道のアメカジスタイルでもよし。カジュアルなジャケットなので、インナーにシャツを仕込んだり、スラックスを合わせたりして、武骨さを感じさせない上品な着こなしもよし。どんなスタイルにも合う万能アウターです。

 

ミリタリーフィールドジャケット

ミリタリーフィールドジャケットは、アメリカ軍で野戦用に開発されたミリタリーアウター。1943年に登場したM-43は、寒冷地対応のためライナーを取り付けられるレイヤリングシステムを採用。その後、ライナーとジャケットをボタンで連結できるよう改良されたM-51を経て、襟を折襟からスタンドカラーに変更し、襟の中に折り畳み式のフードを内蔵したM-65とアップデートされていきます。

 

中でもM-65は特に有名で、映画「タクシードライバー」のロバート・デニーロや「ランボー」のシルベスター・スタローンが着用したことから、一躍ミリタリーウェアの象徴として一般に広まりました。

 

■ミリタリーフィールドジャケットのおすすめの着こなし

 

オリーブなどのややカジュアル感が強めなカラーは、シャツやニットをインナーにして、きちんと感を残しつつ程よくカジュアルダウンさせるのがおすすめ。ブラックやネイビーなどの落ちついたカラーであれば、中にカジュアルなパーカーをインした立体感のある着こなしから、ボトムスもモノトーンにした洗練された大人なスタイルまで、幅広く合わせられます。

 

コットンリネンジャケット

コットンリネンジャケットは、なめらかな肌触りと柔らかさのあるコットンと、通気性や耐久性のあるリネン素材を混紡した生地で仕立てられた軽量ジャケットのこと。高温多湿な気候に適しており、近年の厳しい夏から秋にかけての日本でも重宝されるアイテムです。

 

また、リネンは人類が最初に使用した天然素材といわれており、紀元前8000年前頃の古代メソポタミア文明の発祥地でもあるチグリス・ユーフラテス川流域で栽培されていました。古代エジプト王侯のミイラにリネンが巻かれていたことから、リネン=神聖なものとして、当時は位置づけられていたこともわかっています。その後、ヨーロッパへ伝わり、18世紀後半のイギリスで始まった産業革命を経て生産が拡大し、リネン素材は一般にも普及していきました。

 

■コットンリネンジャケットのおすすめの着こなし

 

コットンリネンジャケットは、リネン混ならではのナチュラルな風合いが、ほかのジャケットにはない季節感とこなれ感を演出してくれます。同系色のボトムスと合わせてミニマルなセットアップ風や、デニムやチノパンと組み合わせたラフで抜け感のあるスタイルがおすすめです。

 

チノパン

チノパンとは、「チノクロス」と呼ばれる綾織りのコットン生地で作られたパンツのことです。その起源は19世紀中頃までさかのぼり、当時インドに駐留していたイギリス軍の制服のある悩みをきっかけに誕生したといわれています。その悩みとは、当時の軍服が白色で敵に見つかりやすく、戦闘には不向きなユニフォームであったこと。そこで、カレー粉やコーヒー、桑の実を混ぜた汁を使って、土色に近いカーキ色へと染め上げます。この実用的な工夫が、チノパンの始まりとされています。その後、このカーキ色のコットンパンツは大量生産され、インドから中国を経由してさまざまな国に輸出されました。

 

チノパンの語源には諸説ありますが、19世紀後半にアメリカ軍がフィリピン駐留用の制服として採用した際、スペイン語で「中国」を意味する“Chino”と呼ばれるようになります。これは、フィリピンがかつてスペインの植民地であったことに由来しています。つまり、「インドで生まれ、中国を経由してフィリピンに渡り、アメリカ軍によって“チノ”と名付けられた軍服」というのがチノパンのルーツです。その後、1970年代に映画で俳優が着用したことや、多くのデザイナーズブランドに取り入れられたことからファッションアイテムとして定着。いまやジーンズと並ぶメンズ定番のボトムスとして広く親しまれています。

 

■チノパンのおすすめの着こなし

 

チノパンは、ジーンズよりもきれいめでスラックスよりもカジュアルという絶妙な立ち位置が魅力。シャツやジャケットを合わせれば定番のオフィスカジュアルに、紺ブレとローファーを組み合わせれば王道のプレッピースタイルに。また、ミリタリージャケットとミックスすればほどよくラフなカジュアルコーデも楽しめます。どんなスタイルにも自然に馴染む、まさに万能パンツです。

 

 

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