アデル ビジュー/ラヴェイユを率いる英里・リストリさんにインタビュー

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2024.11.28
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コスチュームジュエリーブランド「アデル ビジュー(ADER.bijoux)」のデザイナー、英里・リストリさん。ヴィンテージやデッドストックのパーツを使った、心ときめく華やかなアクセサリーを生み出し、多くの大人の女性を魅了しています。

 

そんな英里さんがクリエイティブディレクターを務めるレディースブランド「ラヴェイユ バイ スーペリアクローゼット(la veille by SUPERIOR CLOSET)」が、2024年11月29日(金)にいよいよアナザーアドレスに登場します。今回は、英里さんにアデル ビジューとラヴェイユの魅力やものづくりに対する思いを伺いました。ぜひ最後までお楽しみください。

アデル ビジューについて

※アナザーアドレスで展開予定

——まず、アデル ビジューの特徴について改めて教えてください。

ヴィンテージやデッドストックのパーツを使ったコスチュームジュエリーを展開しています。パーツは、フランスを中心にヨーロッパから仕入れたものを使うことが多いですね。

——ヴィンテージパーツにはどのような魅力を感じていますか?

今ではもう再現できないような素晴らしいデザインが多く残っている点に魅力を感じています。すべて手作業で作られていた時代のものなので、細部にまで職人の技が宿っているんですよね。機械では表現できない繊細なデザインが施されたものも少なくありません。

※アナザーアドレスで展開予定

——そんな貴重なパーツを使ったアクセサリーを展開しているアデル ビジューですが、英里さんが考えるブランドの魅力とはいったい何でしょう?

いくつかありますが、まず1つ挙げられるのは、一目で “アデル ビジューらしさ”を感じられる、他にはないアイコニックなアクセサリーが豊富に揃っている点です。星モチーフを使ったアクセサリーや、煌めくカットスチール(※)の粒が特徴的なカットスチールシリーズ、繊細な線加工が美しいフィリグリーシリーズ、そして「籐(とう)」を用いたラタンシリーズなどはブランドのシグネチャーとして繰り返し提案しているものです。また、大量生産にはない丁寧なものづくりも、アデル ビジューの大きな魅力だと思います。


※:スチールをダイヤモンド状にカットして一粒ずつ溶接で繋いでいく17.18世紀ヨーロッパのアンティークジュエリーに見られる技術。アデルではこのカットスチールを再現した独自の技法でコレクションを発表している。


——たしかに、アデル ビジューのアクセサリーはクラフトマンシップを感じられる素敵なものばかりで、いつも新作が楽しみです。インスピレーションはどのようなところから受けていますか?

 

古いものからインスピレーションを受けることが多いですね。昔のものには、今でも素敵だと感じる要素がたくさんあります。古い映画を観ていても、このコーディネートが素敵だな、この世界観が好きだなと思うと、自然と心に留めておくことが多いです。

※ネックレスはアナザーアドレスで展開予定

——デザインする上で大切にしていることはありますか?

他にはない新しいものを作り出すことを意識しています。アクセサリーデザインって、ある意味、発明的な要素も重要だと思っているんですよね。たとえば、2024年秋冬の新作でブローチが付いたパールネックレスがありますが、このアイテムはロングネックレスとしてはもちろん、何重にも巻いてチョーカーのように使ったり、斜め掛けにして洋服の一部のように見せたり、ブローチ単体で使用することもできるマルチウェイ仕様です。

今では一般的になりましたが、取り外し可能なキャッチがついた2WAYピアスも、アデル ビジューではかなり早い段階から作っていました。複数の使い方が楽しめるユニークなデザインを考えることは、とてもワクワクする作業ですし、形になったときの喜びは格別です。これからも、ものづくりの楽しさが詰まったデザインを追求していきたいなと思っています。

ラヴェイユについて

ワンピースは2024年11月29日(金)~アナザーアドレスで展開予定。アクセサリーも近日展開予定。

——英里さんは、ラヴェイユのクリエイティブディレクターも務めていらっしゃいますね。アクセサリーブランドだけでなく、アパレルブランドも手掛けることになった経緯を教えてください。

「スーペリアクローゼット」という女性向けのセレクトショップを展開するフランドルさんから、新しいブランドを立ち上げたいとのお声がけをいただいたのがきっかけです。アデル ビジューではアクセサリーを作ってきましたが、もともと洋服も好きでしたし、せっかくの機会なので挑戦してみたいと思い、迷わず決断しました。

——ラヴェイユは「柔らかな感性を呼び覚ます服」をブランドコンセプトに掲げていますが、そこにはどのような思いが込められているのでしょう?

自立した女性がラヴェイユの服を纏うことで、レディーな一面や女性らしいエレガントさ、つまり“女性らしい柔らかさ”を引き出せるようにという願いを込めています。

——素敵ですね。そのような思いを込めるにあたって、何か影響を与えたご経験や背景があれば、ぜひお聞かせください。

実は私の曾祖母は、女性参政権や女性の自立を支援する運動に尽力していた政治家でした。だから、そういった自立した女性に関する興味や意識は昔から自然と自分の中にあったのだと思います。

また、フランスでの12年間の生活も影響していると思います。フランスの女性は非常に自立していますが、その一方で女性らしさやセクシーさといった柔らかな側面を大切にしていて、隙のある魅力を持っています。私はそんな女性にとても惹かれるので、ラヴェイユの服作りを通して、纏う人の“女性らしい柔らかさ”を引き出していけたらと思いますし、女性らしくありたいと思うすべての方に楽しんでいただきたいなと思っています。

(左から)ジャガードストライプワンピースバックプリーツボウタイワンピース

——ものづくりにはどのような特徴がありますか?
 

ラヴェイユでは、服作りのコンセプトに「モダンクラフト」を掲げていて、クラフトマンシップを非常に大切にしています。流行をある程度取り入れることも大切だと思いますが、基本的には流行に左右されないものづくりを目指しています。コンセプトはブランドの重要なアイデンティティであり、それを揺るがすことなく、むしろその魅力を感じていただけるようなデザインを生み出していきたいと考えています。

 

——ラヴェイユを代表するアイテムは何ですか?

 

「桐生織」で有名な群馬県桐生市で作られたジャガード素材を使った服です。以前、伝統的な織機を備えた工場を訪れた際に「桐生織」の魅力に触れたことから、その豊かな表面感を楽しめる服を作りたいと強く感じて、ジャガード素材の服を毎シーズン発表するようになりました。

(左から)ノーカラーギャザースリーブブルゾンフラワープリントフレアスカート

——今季のジャケットも素敵ですね。

 

ありがとうございます。このジャケットのような細かいディテールを施した服も、ラヴェイユの代表作です。一見シンプルに見えますが、一本ずつ丁寧に入れた立体的なタックがポイントになっています。やはり私が関わる以上、アデル ビジューと同じように、人の手の温もりや古き良きものを大切にしながら、ものづくりを続けていきたいと思っています。

 

会社員からデザイナーへ——これまでの軌跡

アデル ビジューとラヴェイユ、2つのファッションブランドを率いる英里さん。しかし、学生時代からずっとファッションに携わっていたわけではないそうです。続いては、英里さんのキャリアにフォーカスします。

 

——ファッションへの興味はいつ、何がきっかけでしたか?

 

これといったきっかけは恐らくないのですが、中高生時代にノートの端っこにデザインを描いていたのは今でも覚えています。暇だったんでしょうね、いつも絵を描いていました(笑)。部活も美術部に所属するほど、昔から絵を描くことが好きで、周りからも美大に行くのかなと思われていました。

 

——美大に進学されなかったのですか?

 

はい。私の場合、美大に行くと将来を狭めてしまうと感じて、普通の大学に進学して法律を学びました。ただ、ファッションはずっと好きでしたし、いつかファッションに関係することで何かを立ち上げたかったので、卒業後はトータルで色んなことを学べそうなIT系の会社に就職しました。そこから少し唐突ですが、ファッションブランドのPRを数年間やって、その後、パリに行きました。

 

——パリへはお仕事で行かれたんですか?

 

いいえ。語学を学びながら遊ぶつもりで、1年ほど住もうと思っていきました(笑)。昔からフランス文化が好きで、ゴダールやトリュフォーのフランス映画を観たり、オーバカナルでカフェを楽しんだりしていて、その延長線上でフランスに住んでみたいと思ったんですよね。

 

——すごい行動力ですね!そこからどのような経緯でデザイナーになったのでしょうか?

 

フランスで今の夫と出会って結婚し、そのままフランスに住むことになったので、仕事を探し始めました。ただ、フランスで一般企業に就職するにはディプロム(学位)が必要で、それがないと難しかったんです。そこで何か自分で始めるしかないと考えました。

 

実は日本で働いていた時に趣味で靴作りをしていたので、シューズブランドを立ち上げようかとも思ったのですが、ビジネスとして続けるのは難しそうだと感じて断念しました。それでもファッションの仕事をしたい気持ちが強く、求人サイトで見つけたコスチュームジュエリーを扱うアクセサリーブランドのインターンに応募することにしたんです。ポートフォリオを送ったところ、無事に採用してもらうことができ、最終的に正社員のデザイナーにまで昇格しました。その後、独立を決意し、立ち上げたのがアデル ビジューになります。

 

——色々な場所での経験が今に繋がっているのですね。そんな異色の経歴を持つ英里さんにとってファッションとはどのような存在ですか?

 

なくても生きていけるけれど、あると気分が高まるもの。自己表現の1つであり、自分を楽しませてくれるものだと思います。私も、自分が楽しくなるために作っていますし、身につけることで気分が上がるアイテムをこれからも作り続けたいと心から思っています。

サステナブルな取り組みについて

ラストは、サステナブルな取り組みにフォーカス。それぞれのブランドでどのような取り組みをされているのか、お話を伺いました。

——アデル ビジューとラヴェイユ、それぞれのブランドでサステナブルな取り組みをされていることがあれば教えてください。

 

アデル ビジューでは、ヴィンテージやデッドストックの素材に新たな価値を加えてアクセサリーを作っており、そのサイクルが結果的にサステナブルな取り組みにつながっていると考えています。

 

ラヴェイユについては、直接的な取り組みではありませんが、フランドル全体で「エコクローゼット」という活動を行っています。不要になった洋服を回収し、什器やショッパーに再利用するなど、会社全体でサステナブルな取り組みを進めており、ラヴェイユもその一環として参加しています。

 

——では最後に、アナザーアドレスの会員の方にメッセージをお願いします。

 

アナザーアドレスの会員の方は、「このシチュエーションでこんな装いをしたい」というイメージを持ってレンタルされる方が多いのではないでしょうか。アデル ビジューやラヴェイユでは、オケージョン向けの華やかなアイテムをはじめ、さまざまなシチュエーションに対応できるアクセサリーやお洋服を取り揃えていますので、ぜひ色々とお試しいただきたいです。そして、ファッションをもっと楽しんでいただき、ファンになっていただけたら嬉しいです。

 

■ 英里・リストリさん
フランス、パリ在住。パリのコスチュームジュエリーブランドでのデザイナー経験、西洋美術史を学んだ後、2013年S/S collectionよりコスチュームジュエリーブランド「アデル ビジュー(ADER.bijoux)」を立ち上げる。2022年に、「ラヴェイユ バイ スーペリアクローゼット(la veille by SUPERIOR CLOSET)」のクリエイティブディレクターに就任。

 

■アデル ビジュー公式サイト

https://ader.jp/

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■ラヴェイユ バイ スーペリアクローゼット公式サイト

https://la-veille.com/

※外部サイトに遷移します。

 

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