【roop Award 2025-2026】結果発表|プロ部門・学生/アマチュア部門の受賞作品を一挙紹介

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2026.03.30
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アナザーアドレスの衣料循環アップサイクルプロジェクト「roop」。その一環として企画されたファッションデザインコンテスト「roop Award 2025-2026」の最終審査が2026年3月22日(日)に渋谷ヒカリエで開催されました。本記事では、プロ部門・学生/アマチュア部門それぞれの受賞作品をご紹介します。

プロ部門の受賞デザイナー・作品

【グランプリ】MAISON CASANOVA/中村有佑

プロ部門のグランプリに輝いたのは、メゾン カサノバ(MAISON CASANOVA)。拳銃はいらない、バラだけを——「NO GUNS JUST ROSES」。伝説的なロックバンド「GUNS N' ROSES」から着想を得たメッセージをテーマに掲げ、平和への願いを込めたコレクションを発表しました。

 

中でも象徴的なのが、軍服を起源とするトレンチコートを解体・再構築し、“平和を願う服”へと昇華させたジャケット。トレンチコートの語源である「塹壕(トレンチ)」が示す通り、戦争と深く結びついた衣服を分解し、新たな価値へと転換しています。リーバイスの1stジャケットをサンプリングし、背中には「NO GUNS JUST ROSES」の文字とともに、五芒星やバラをデザイン。シンチバックには、トレンチコートのベルトをあえてそのまま使用しています。

 

パンツは、メゾン カサノバを象徴するサルエルシルエットをベースに、ロックの象徴でもあるボンテージの要素を掛け合わせたデザインに。さらに、デザイナー自身がロンドンで目にした「メンズがスカートを履く」というムーブメントから着想を得て、パンツの上にスカートをレイヤード。性別という枠組みさえも解体し、自由を表現しました。

 

【準グランプリ】KOHVA/秋山和美

準グランプリに輝いたコーヴァ(KOHVA)は、リメイク前とリメイク後、それぞれの“顔”を併せ持つ二面性に着想を得て、着る人の仕草や気分に応じて表情を変えられるコレクションを発表。中でも印象的なのが、ギャザーによってシルエットや丈が変化するデザイン。同じ1着でありながら、着方に応じて異なる印象を楽しめるのが特徴です。

 

加えて、元のアイテムが持つ記憶やディテールをできるだけ残しながら再構築している点も注目したいポイント。これにより、過去と現在が静かに重なり合うような仕上がりに。大きく変えるのではなく、ささやかな違いの中に美しさを見いだす——日常の中で自然に変化を楽しめる、“もうひとつの在り方”を提示するコレクションとなっています。

 

【特別賞】Masaco Teranishi/寺西昌子

特別賞を受賞したのは、マサコ テラニシ(Masaco Teranishi)。それぞれ異なる時間や背景を持つ服に宿る“記憶”に着目し、新たな物語へとつなぐコレクションを発表しました。

 

リラックスした時間に寄り添っていた1着や、衣装として活躍していた1着、海外での特別な時間をともにした1着——。異なるシーンで愛されてきた服を重ね合わせることで、対照的な素材やムードが交差し、新しい価値と物語のはじまりを表現しています。

 

誰かの日常を彩ってきた服が、別のかたちへと生まれ変わり、また新たな人生を歩み始める。過去の記憶を引き継ぎながら、時間とともに美しさを深めていく、世界にひとつだけの物語が宿るコレクションとなっています。

 

【学生/アマチュア部門】の受賞デザイナー・作品

【グランプリ】YURI ANAYAMA/穴山友梨

学生/アマチュア部門のグランプリに輝いたのは、ユリ アナヤマ(YURI ANAYAMA)。“No cut”をテーマに、「着られなくなってしまった、思い入れのある服」に新たな表情を与えるコレクションを発表しました。

 

特徴的なのは、“ハサミを使わずに衣服を再生する”というユニークなアプローチ。解体・再構築が主流とされるリメイクの中で、その前提を覆すような手法が際立ちます。

 

衣服に残る傷や汚れも、切り取ったり覆い隠したりするのではなく、シルクスクリーンや顔料プリント、染めといった技法によって新たなデザインへと昇華。それらの技法を用いて表現された市松模様には、「永遠」や「無限の繁栄」といった意味が込められており、生まれ変わった服が長く愛される存在であってほしいという願いが表現されています。

 

“お気に入りの服にハサミを入れられてしまうのは悲しいかもしれない”——そんな友人の一言から生まれた「カットしない」という発想。アップサイクルのあり方そのものに、新たな選択肢を提示するコレクションで観客を魅了しました。

 

【準グランプリ】yui wakabayashi/若林唯

準グランプリは、ユイ ワカバヤシ(yui wakabayashi)が受賞。「日常にときめきを纏う服」をテーマに、特別な場面で使われていた服を、もう一度“華やかな場”へ、さらには“日常”へとつなぎ直すコレクションを発表しました。

 

メインに使用したのは、小さい頃の発表会で着られていた衣装や、セレモニーで着用されていた服など。傷や汚れのある箇所は、染め直しや装飾によって丁寧にアップサイクルされています。元のデザインや特徴を大きく崩さずに活かすことで、前の持ち主が見ても懐かしさを感じられるような仕上がりとなっている点も印象的です。

 

かつての記憶を受け継ぎながら、新たな日常へとつなげるコレクション。過去と現在をやさしく結びつけるような提案が光ります。

 

【特別賞】SHINOBU TOMITSUKA/冨塚忍

特別賞を受賞したのは、シノブ トミツカ(SHINOBU TOMITSUKA)。「post period」をテーマに、それぞれの衣服が持つ時間や記憶を、新たな物語へとつなぐコレクションを発表しました。

 

1着1着の服には、これまでの持ち主とともに積み重ねてきた物語があり、その節目には“句読点”のような区切りが存在する——そう考えたデザイナーの冨塚は、その概念を円形のモチーフへと置き換え、異なる記憶を組み合わせることで、新たなストーリーの創出を試みました。

 

トップスはコートをベースに再構築され、背面にはコレクションのテーマである円形から着想を得た鱗状のパーツを46枚配置。「四六時中」という言葉に由来するこの数字には、着る人や素材の持ち主の記憶や思いを、途切れることなく受け継いでいきたいという願いが込められています。

 

 

▼ファイナリスト11名の作品はこちら

作品は後日レンタル可能に!

「roop Award 2025-2026」の作品は、後日アナザーアドレスにてレンタル開始予定。受賞作品をはじめ、今回のコンテストに応募された作品すべてが順次展開されます。どうぞお楽しみに!

 

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