2025年2月14日(金)~16日(日)の3日間、国立代々木競技場 第一体育館で行われたファッション・アート・ライフスタイルのクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」にアナザーアドレスも出店。
3日間でさまざまなイベントが実施されましたが、今回は2日目に行われたファッションインフルエンサーのMB氏と、洗濯ブラザーズの茂木康之氏によるトークショーイベントの内容をご紹介します。
■アナザーアドレスとは?
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ファッションバイヤー/ファッションアドバイザー/ファッションブロガー/作家。ユニクロをはじめとするファストファッションを対象にした論理的な「お金を使わない着こなし法」が注目を集め、書籍、ブログ、メルマガ、YouTubeなど、さまざまな媒体で情報を発信。書籍『最速でおしゃれに見せる方法』や漫画『服を着るならこんなふうに』など、書籍の発行部数は累計200万部を突破し、有料メルマガは配信メディア「まぐまぐ!」にて個人配信者として1位をマークしている。
実の兄と二人でクリーニング店「LIVRER(リブレ)」を営む。2007年に横浜市青葉区で開業し、2021年には東京・三宿に2店舗目をオープン。これまで、劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユなどの舞台衣装のクリーニングを手掛けるなど、繊細な衣装の取り扱いにも精通している。洗濯のプロフェッショナルとして、クリーニングだけでなく、家庭で実践できる正しい洗濯の発信や、オリジナル洗剤の開発なども行う。
今回のトークテーマは「デザイナーズファッションのサステナブルな楽しみ方」。その中で、2人の考え方や意見をざっくばらんに語っていただきました。冒頭MB氏から語られたのは、靴のクリーニング方法についてです。
MB氏「ある靴のクリーニング工場を訪れた際に、1つひとつ手作業でクリーニングされている現状を目にしてとても驚きました。てっきり洗濯機で丸洗いされているのかと」
茂木氏「靴は衣類よりもクリーニングの過程で形が変形したり、色移りしたりしやすいため、機械ではなく手作業での対応が必要不可欠なんです。例えば、ニューバランスのスニーカーにはスエード生地が使用されており、煩雑に洗ってしまうと色移りや劣化の原因になってしまいます。
実際に、自分が営むクリーニング店でも靴のクリーニングに対応しており、ドライクリーニングではなく1つひとつ丁寧に手作業で水洗いを行っているので、非常に手間がかかります」
茂木氏が特に重要なポイントとして挙げられたのは、洋服の洗濯方法について。汚れが落ちるメカニズムを理解や、自分で正しい洗濯ができるようになるとさまざまなメリットが生まれる点に言及しました。
茂木氏「洗濯に関しては、一部を除いてほとんどの服は自宅で洗濯できますが、ほとんどの方は正しい洗濯の知識を理解しておらず、間違った洗い方をしています。正しい洗濯方法を理解すれば、服の寿命を長く保てたり服の廃棄も減らせたりするため、経済的負担の軽減やサステナブルな観点でもメリットが大きく感じますね。
そのため、少しでも正しい洗濯方法を広める活動として、東京・三宿のお店でワークショップも定期的に開催中しています。ワークショップでは、正しい手洗いの手順や生地を傷めずにシミを落とす方法、乾燥が早くなる裏技などを実践形式で伝授していますよ」
茂木氏「また、近年は高価なヴィンテージアイテムなどの繊細なクリーニング依頼なども増えており、多少高くてもしっかりクリーニングをしてもらいたいという需要も高まっているように感じます。
そのようなニーズも増えていることから、クリーニング業界全体でも中価格帯のクリーニング屋が減少傾向にあり、高価格帯で日数はかかるが仕上がり度の高いクリーニング屋、もしくは低価格帯で迅速に対応してくれるクリーニング屋の二極化が進んでいます」
クリーニング屋の二極化の現状を踏まえ、MB氏から語られたのは日本のアパレルブランドの現状と今後の展望について。日本のアパレルブランドもクリーニング屋と同様に二極化が進んでいる点に言及しました。
MB氏「海外ではラグジュアリーブランドとファストファッションの二極化は普通のことであり、日本は世界でもまれにみる中価格帯のアパレルブランドが多い国です。
これまで、中価格帯のアパレルブランドが生き残れてきたのは、全国各地にあるセレクトショップの存在が大きい。セレクトショップが多ければブランドの卸先も増えるため、その分売上も安定します。しかし、近年は地方の人口減少などの影響も受けてセレクトショップ自体が閉店に追い込まれている現状にあり、セレクトショップの減少=ブランドの撤退という課題が業界内で発生しています」
MB氏「その課題を解決する1つの方法として、受注生産がキーとなると考えています。
受注生産にすれば、必要な分を必要な分だけ生産するビジネスモデルであるため、無駄なコストをかけずに済みます。キャッシュフローもよくなるため、小さなブランドでも生き残ることが可能。さらに、服の大量生産・大量廃棄が少なくなるため、サステナブルな取り組みにもつながるのではないでしょうか」
トークショー終盤では、茂木氏から最近気になったアップサイクル、MB氏から衣装提供したアイテムについて語られました。
茂木氏「最近見たアップサイクルで気になったものは、スタイリストの伏見京子さんと代々木上原のセレクトショップ『DELTA』さんでイベントを行ったときに見た90年代のジャケットとスポーツウェアとのミックスさせたアイテムです。
上質なウールのコートや、MA-1などのミリタリーアイテムをうまく融合させて制作されており、まさにアップサイクルの名にふさわしいアイテムだと感じました」
MB氏「僕も今回のroopイベントにラフシモンズ(Raf Simons)のベストを提供させていただきました。制作はウィザード(Wizzard)に行ってもらい、コレクションピースのような素敵なデザインにアップサイクルしてもらいました」
以下の記事では、アナザーアドレスがNEW ENERGY TOKYOで行った3日間のイベントレポートや、ファッションデザインコンテストroop Awardの模様なども詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。